ALTEC model 19
ご承知の通り、アルテックの代表的システムのひとつ、ボイスオブザシアターシリーズのA7は、低域に416系ウーファーをショートホーン付きエンクロージャーに納め
その上に高域ドライバー802系をのせたスタイルで劇場、ホール、録音スタジオで大活躍していました。
今回のモデル19は、ユニット構成はそのA7と同じで、ホーンを小型の811Bとしてエンクロージャーにビルトインした比較的ホームユースやレコーディングスタジオを意識したデザインとなっています。
1970年代後半、上下の再生レンジ拡大への要求からアルテックは基幹ドライバーの改良の成果を「タンジェリン」フェイズプラグを実装した「802-8G」として発表しました。
この画期的ドライバーは従来からの定番ホーン811Bを通して厚みに加え「透明感」を表現する高域を聴かせます。
さらに、ネットワークに工夫をし2Wayでありながら中域と高域別々にレベルコントロール出来る初のデュアルバンドイコライザーを搭載、ルームアコースティックにきめ細かく対応することが可能となりました。
因にこの伝統ある802系ドライバーは、この802-8Gのアルニコから、それ以降は902系と品番も変わり、フェライト化されていきます。
そして、定評あるウーファー416-8Bは充分な容積を確保されたエンクロージャーにマウントされ、量感と質感を兼ね備えた低域を放ちます。
そしてドライバー同様、その後フェライト化され416-8Cにモデルチェンジされますが、モデル19にマウントされるユニットは同仕様ながら416-8Zとなるようです。
model19は、型番こそ変わりませんでしたが1976年発売時から1980年くらいまでがアルニコタイプ、その後はフェライトタイプとなりますので少し注意が必要です。
以上がmodel19の概況となります。
以外と大きく感じたのは横幅があるためだったようですが、620Bに比べて背は低いためもう少し上げてセッティングしたい気もします。
620B/604-8Hとの違いで言うならば、明らかに量感のある低域と、伸びのある且つ金属ホーンらしさを感じる厚みのある高域とでも言いましょうか。
意外と中域が薄く感じるのは、圧倒的に中域の盛り上がった604を聞き慣れたせいかもしれません。初の本格的ホーンシステムを聴くとやはりその音の実在感と飛び出し感は「良いな〜」と感じます。
現状、マッキンのプリC-29にマランツ#1250のパワー部を使用してこれだけの完成度の高い音を出してきますので、パワーをもう少し奢ってあげられたらもっともっと良くなりそうな気配充分!です。
当時の雑誌にスタジオのモニタースピーカーとして、また演奏者用のプレイバックモニターとして盛んに使用されてたのが良く写ってました。
また、この頃は604に低域補強用のウーファーを足したシステムも多く見られました。UREIなんかがその代表でした。
ちなみに日本ではあの有名なJBL4343はスタジオモニターとして認知されていましたが、実際に使用されてた例は殆ど見たことはありませんでした。
4Wayと、4つのスピーカーユニットがバッフルに並べられるわけですから、レンジ感はさすがにあるものの、見た目的にも、そして実際も音の定位感のハンディは免れないものがありました。
現代に於いても、やはりバッフルにユニットがたくさんついたものは扱い辛く、モニターとしては「2Way」を基本としたシステムが主流なのは変わらないようです。
わりと近所のミュージシャンの方で、この4343を2台!ひとつの部屋に入れてる強者がいらっしゃいます。
片方はB(フェライトタイプ)でしたが、これはまた上下にエクステンドした非常に魅力的な音で鳴っていました。
近々またおじゃまして、今度は皆様にもご紹介してみたいと思います。
ALTEC LANSING MODEL 19 主な仕様
発売 1976年
ユニット LF 416-8B HF 802-8G ホーン 811B
※後期はユニットがフェライト化され、LF 416-8C HF 902-8Bに換装されます。
※実際にはユニットに型番が貼られていない物が殆どでした。
エンクロージャー バスレフ
インピーダンス 8Ω
クロスオーバー周波数 1.2kHz
再生周波数帯域 30Hz〜20kHz
出力音圧レベル 102dB(新JIS)
許容入力(連続プログラム) 65W
サイズ、重量 W762×D533×H990mm 64.9kg
2010 / 1 / 25 やっぱり416とホーンの組合せは良い!
2011年 追記
残念ながら機材整理のために手放してしまいました(涙)
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